駆け出しのホラー作家である深見夏彦は、取材旅行のためある旅館を訪れる。

そこは壁一面びっしりと日本人形が並び「人形の髪が伸びる」や「夜になればと歩き出す」などよくある噂が囁かれる部屋、通称「人形の間」がある旅館であった。

何らかの怪奇現象が起きないかと待つ深見の前に、日本人形然とした風貌とちょっと毒のある物言いをする蓮華が現れる。

蓮華の言葉に手玉に取られつつも人形の間について取材を試みようとする深見だが、蓮華は答えず万華鏡を示す。

その万華鏡は愛と恐怖に彩られた男と女の美しくも儚い物語を見せるのだった。

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